【本当のきっかけ】
ある年の晩秋。広島への単身赴任が決まった。
不便でさみしい単身生活。しかし、自由時間は多くなる。
折角だ、「旅」をしよう。
「〇※△#◇は、いつでも行ける」、、、この考えは明らかに誤りだ。
出だしが肝心。今行動しなければ、どこにも行かずに終わってしまうだろう。
私は、お寺巡りが好きだ。静けさと安らぎを感じられるからだ。
そして、数百年から千年を超えるの歴史空間に容易に触れることができる。
そして、次の旅の行き先を見つけることができる。
まずは、広島県福山市郊外の国宝を擁するお寺へ。
御朱印所で「中国観音巡礼」の案内を見付けた。興味が沸いた。
短い単身赴任生活で、すべての寺に巡拝を完了(結願)できないかもしれない。
でも、暇だ。やってみよう。
私には、仏教や巡礼の知識など皆無。観音様のご尊名は存じているが、それだけだ。
一緒にまわる人もいない。見様見真似をやっているうちに身につくだろう。
まずは、ご住職に色々教えていただき、必要な品を購入。
巡礼するなら御朱印ではなく「納経」だ。納経帳を千円でを購入。
納経とは、巡拝したお寺にお経を収めた(写経か読経)証。所謂、お寺の「領収印」だ。
納札も購入(百円)。住所、氏名、年齢(数え歳)を記入して収める。「名刺」かな。
数珠は、持ってきていない。買うこともないだろう。次回、持っているものを持参しよう。
白衣(白装束)、杖、すげ笠は、省略させていただこう。
そんな風にはじめた観音巡礼。それでも、4か月かけて「結願」。
観音様に導かれ、岡山、広島、山口、島根、鳥取1200km、37のお寺にお参りできた。
お参りついでに各地を観光し、温泉につかり、うまいものも食した。(どっちがメインだ?)
そういえば、このブログは「四国遍路」がテーマ。色々書きたい衝動を抑えよう。
次の旅は、どこに行こう?どのようなテーマの旅にしようか???
観音巡礼を終えた今、次は、世界的にも有名な「四国遍路」か?
しかし、四国は遠い。そして、お遍路は遠大だ。定年退職後に時間ができたら行こう!
世間には、「死ぬまでに一度は四国遍路を巡りたい」と考える人は多いらしい。
しかし、現代社会に生きる我々の最大の障壁は、「時間」だ。
「定年後に時間ができてから、、、」この考えは明らかに誤りだろう。
定年後も暇などあるなど、幻想だ。現代社会は忙しい。百歳まで生きて働かねばならない(笑)
ならば、思い立ったが吉日。次の休みに四国に渡ろう!
【いざ、四国へ!】
本州から瀬戸大橋を渡って、四国入り。
まずは金毘羅山にお参り。
多少は調べたが、どこから、どのようにお遍路を開始するかは未決定。
ネット調査も良いが、人様の判断と評価に基づくもの。
まずは現地に行こう。百聞は一見に如かずという。
わからないことは教えていただく。お作法が間違っていてもいいだろう。
旅の恥はかき捨て。弘法大師もお許しくださるだろう(笑)
どこから?第一番札所か?
現在地から近いお寺は、第七十五番札所善通寺。
お大師の生誕の地でもある。まずは、ここで情報収集することに。
広いお寺でお遍路用品店を発見。そこで、次を購入。
①納経帖(二千五百円)
②納札(白)(二百円)
③経本(五百円)
④輪袈裟(二~三千円)
⑤白衣(袖あり)(三千円)
⑥頭陀袋(ずたぶくろ)(三千円)
⑦線香、蝋燭(七百円)
⑧金剛杖(三千円)
数珠は持参。菅笠は購入せず。ざっと2万円弱の出費。
購入品の記載順序は、私目線の優先順位。経費に制約のある方はご参考に!
お遍路と言えば「歩き」が基本。全部歩くべきか、、、お大師様はそうされた。
でも、私には無理だ。体力や経済的な問題ではない。単に時間の問題だ。
しかも、現に「車」で四国に来ている。この時点で、他の選択肢は排除(笑)。
お遍路も何回かに区分して巡拝しなければならないだろう。
一日でお参りできるお寺の数は限定的だ。
移動時間も重要な過程だし、納経帖に印を受ける「スタンプラリー」が目的ではない。
じゃあ、何が目的だ?今の時点では決めなくてもいいだろう。
そんなわけで準備は整った。今足りないのは知識だけだ。知識は、長い旅で逐次身につくだろう。
第七十五番札所善通寺でご本尊の薬師如来にお参り、その後、大師堂へ。
ぎこちない般若心経をお唱えし、納経所へ。
長く続くお遍路の旅が始まった。
【この日の巡拝】
第七十五番 善通寺 16:30着/17:00発
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